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にしけんだだだ

ー万能グローブガラパゴスダイナモス「甘い手」ー すれ違いの連鎖が生む傑作コメディ

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下北沢駅前劇場で万能グローブガラパゴスダイナモスの舞台「甘い手」観てきました。高校を舞台に文化祭の出し物をめぐるドタバタコメディ「甘い手」。それぞれのすれ違いがどんどん絡み合って最終的に大グルーヴを引き起こす傑作でした。

 

お話はとにかくシンプルだし、群像劇ではあるんだけど、それぞれのキャラ立ちがいいのでみんな好きになってしまった。嫌なやつが一人も出てこないのもよかった。思えば、ガラパの劇にはあんまり嫌な人は出てこないかもしれない。そこがガラパの好きなところかもしれない。みんなの相談役みたいな阿川佐和子的な役割の人、めちゃくちゃ良かった。ああいう否定もしなくて、ただ話を聞いてくれるだけの存在がいる学校っていいっすよね。1学校に1阿川佐和子が必要だなと思います。

 

「甘い手」はコメディとしての筋肉も強くて、セリフもすごい面白いんだけど、今回はギミックもすごくよかった。中盤のクライマックスとも言うべき、カラオケのシーンは本当にカオスだったし、舞台装置を上手く使った回想シーンの表現で全部笑っちゃった、ズルいよアレ。

 

この作品のテーマの一つとして、「自分の殻を破れ」っていうのがあると思っているんですね。引かれるかもしれないと思っていたことでも勇気出して言ってしまえば、全然そんな事ないかもしんないし面白いって思われるかもしれない。というか、これからの時代ははそうなって欲しいなと思います。すれ違ってモヤモヤするくらいなら、はっきり言ってしまうのがいいんですよね。なんだかすごく元気でました。まあ、すれ違いって傍目から見ると本当におもしろいんですけど(笑)。

 

全然関係ない人が「え?どう言うこと?」ってなってるけど、当人同士が納得してるとこもよかったです。自分にとっては大ごとでも他の人にとってはそこまでないじゃん、みたいなところも「桐島、部活辞めるってよ」みたいで好きでした。高校時代ってしょーもない事で悩むんすよね。そうっすよね。

 

あと、今回の劇とは全然関係ないけど、ここんとこ3年近くすれ違っていた人とたまたま再会できました。何度も何度もすれ違ってモヤモヤしてたんですけど、今日のこの公演でガラパ観て本当によかったなって思いました。まだまだツアーでいろいろ行くらしいので、ぜひ色々な人に観て欲しいな。よし、スピッツ聴こう。

 

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