BIBOUROKU

にしけんだだだ

あの日見た水曜日のカンパネラ

以前、とある場所にこんな文章を書いていた。このブログは、それを加筆して修正したものである。

 

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水曜日のカンパネラの話をしよう。

 

かつては、飛ぶ鳥を落とす勢い、いや、飛ぶ鳥の高さまで飛んでいた水曜日のカンパネラ。武道館公演では本当に飛んでたらしい。そんなぶっ飛んだところが魅力の水曜日のカンパネラ

 

一時期、私服はほぼほぼ毎日水カンのTシャツだったこともあったぐらい好きだった。

ライブにも何度か行ったことがある。その度に予想を遥かに裏切るパフォーマンスで度肝を抜かれていた。

 

僕が好きになったきっかけである、初めて行った水カンのLIVEの話をしたい。

 

時は、2014年12月19日。当時は今ほど知名度はなく「桃太郎」という曲がラジオで時々かかる程度。その「きっびっだーん きびきびだーん」というフレーズがどうにも頭から離れなかった。WEBと検索すると「鹿の解体」をやっているとかいう情報が目に入ってきた。こんなとんでもない人たち、絶対にLIVEに行ってこの目で確認しなければ、と思った。

 

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チケットぴあで買ったチケットを手にして会場に向かうと、「コムアイちゃんかわいいー!」みたいな若いキャピキャピ女子はいなかった。100人入ればパンパンの小さなライブハウス福岡Voodoo Loungeに集まったのはサブカルおじさんばかり。そして、圧倒的メガネ率(自分も含む)。

 

対バンのバンド、アカシックの出番が終わり客電が落ちると、なぜかかかりはじめたのは「キン肉マン音頭」。

「え?何事?」と後ろを振り向くとキン肉マンのマスクを被ったコムアイさんが歌いながら客席から現れた。度肝を抜かれたポイントPart1。

 

そのままステージに向かい、「指定[コンプラ]が5つあるんだぜ福岡ー!」とマイクに向かって叫ぶコムアイさん。度肝ポイントPart2。

 

Macbookから自分で曲をかけて、一曲目「二階堂マリ」を踊りながら歌うコムアイさん。続く「千利休」「桃太郎」というアルバムのメインを張るナンバーで客の心をしっかり掴んでいく。

 

ジャンヌダルク」というバスガイドをテーマにした曲では、トロッコ的なものに乗って客席をぐるりと一周。水曜日のカンパネラの定番とも言える客席でのパフォーマンスは、すでにこの頃からあった。

 

1曲歌うごとにMCを挟むコムアイさん。MCが上手い。ステージにはスタッフもおらず1人きりで、堂々として客いじりを行なっていく。USJのターミネータの前説、綾小路麗華ばりタメ口でどんどんいじっていく。

 

ところが、そのライヴでは、気になることが一つあった。ずっと、ガヤを飛ばしまくるチンピラおじさんがいたのだ。そのおじさんは色黒でいかついサングラスをかけたザ・チンピラスタイル。さらに、ベロベロに悪酔いしていた。

 

コムアイさんがなにかを喋る度に「え??何曜日??」「いくつなの??」「本名なに??」とガヤを入れるチンピラおじさん。最初の頃はしっかりそのガヤにもレスポンスを返す律儀さを見せていたのだが、しつこいおじさんに「あーもう、はいはい」とまともに取り合わなくなった。お客さんのほとんどが「なんやねんあのうざいおじさん」という空気になっていた。不穏な空気である。

 

そして最後の曲「ドラキュラ」。

 

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コムアイ「この曲はみんなにも歌ってもらいまーす」

おじさん「えーなんでー??」

 

チンピラおじさんはやはりガヤを飛ばしていた。悪い意味でフリーダム。

 

「ちょっと、そこの君!!」

と、なんと、コムアイさんが客席に降りて行く。向かったのはもちろん、いかついチンピラおじさんのところだ。

 

不穏な空気はMAXが会場内。このままおじさんと喧嘩してLIVEが中断するのではないか、そんな空気が張り詰めていた。その時。

 

コムアイ「ステージに上がってもらうよ!!!」

 

いったい何を言い出すんだと思った。コムアイさんはそのままチンピラおじさんをステージにあげてしまった。まだまだ緊張感は漂ったまま。

 

ピリピリした空気の中、ステージの上ではコムアイさんがオープニングで被っていたキン肉マンのマスクをそのおじさんに被せてしまった。

 

「じゃあ、改めて、みんなも一緒に歌ってもらいまーす!ちーすーたろーかー!あ、これみんな歌わないと曲始まらないからね」と言い始めるコムアイさん。

 

キン肉マンのマスクおじさんはその背後に立っていた。いつ後ろから殴られても蹴られてももしくは突然抱きつかれてもおかしくない。

 

なんかやばいことになったぞ、客全員が思いながら「ちーすーたーろーかー」と歌い始める。

 

「声が小さいよー!もっとお腹から声出してー」というコムアイさん。煽られるがままに声を出す客席。そしてそのあと、客席の我々は驚きの光景を目にした。

 

例のチンピラおじさんがキン肉マンのマスクをつけたままEXILEChoo Choo TRAINよろしく、コムアイさんの後ろをぐるぐる回りながら手拍子を始めた。「っおい!っおい!」と掛け声も付いている。ステージ上でコムアイwithチンピラおじさんのユニットが爆誕してしまったのだ。

 

チンピラおじさんは仕込みの人ではない、念のため。対バンのアカシックのときもガヤを飛ばしていたし、普通にチケットを買って入場していたからである。

 

いったい何を見せられているんだ、という思いで大合唱になっていく「ちーすーたろーかー」。合唱がピークになったところで始まった最後の曲。すごいグルーヴが産まれていた。

 

曲の最後。会場の一番高いところによじ登り、コムアイさんがクラッカーを「パン!」と鳴らしてLIVEは終わった。

 

僕は感動で呆然とした。こんなエンターテイメントがあるのか。とんでもないものを見てしまった。アクシデントというピンチをこんな感じでエンターテイメントへと昇華させていく水曜日のカンパネラのパフォーマンスに、このグループはもっとすごいところまで売れる、いや、売れてほしい!そして、なんとかお金を払いたい!と思い物販へと向かったのだった。

 

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あれから何年たっただろうか。水曜日のカンパネラから、コムアイが脱退するというニュースが今日、発表された。寂しいような、納得のいくような気持ちだ。

これから始まるであろう第二章はどんな世界を見せてくれるのだろうか。また、そして、その新しい姿を愛することはできるのだろうか。とはいえ、また水曜日のカンパネラが見れるのだ。やっぱりなんだか楽しみではある。

Official髭男dismの大躍進から見えるCDTVランキングの現状

 

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出典:CDTV 公式HP

 

小学生の頃から僕は「CDTVをご覧の皆様」だった。CDTVは僕のユートピアだった。CGキャラによる進行。場面を盛り上げるナレーションもツッコミのテロップも足された笑い声もない。常に無観客のスタジオライブ。ゆっくり流れるアニソンの静止画。

ミルクボーイの漫才に出てくるコーンフレークくらい製作者の顔が見えない。まるでAIが作っているのかと思えるの人間味のなさだ。意図してそうしているのではないのかもしれないが、土曜の深夜に見るにはちょうどいいフィット感。それが心地よかったのだ。

 

CDTVはマイナーチェンジこそするものの20年以上変わらない基本フォーマット。それもAIじみてはいたのだが、変わらない安心感。老舗の味こそがCDTVの良さであった。

 

しかし音楽番組界のシーラカンスCDTVにも変化が訪れる。CDが売れなくなった時代が長く続き、上位に入るのはアイドルやアニソンばかりになった。ドームクラスのアーティストも入ってくるものの、TOP10全てが名前も知らないアーティストであることもしばしばだった。すると、この状況を変えようと人間たちの手が加えられ始めた。

 

2017年4月9日、放送25年目にしてCDTVはリニューアルした。放送時間は55分→70分に拡大。増えた分はARTIST FILEという別番組のような新コーナーが始まった。さらに、ランキングの集計方法が変更になった。

CD売り上げ中心のシングルランキングからオリジナルランキングへ変更。集計内容は明らかにされないものの、CD売上、音楽配信ダウンロード数、動画サイト再生回数、SNSのメンション数などを加味したランキングへと変わった。

その結果、アルバム曲がランクインし始めた。また、洋楽も入ってくるようになりエド・シーランのPVを毎週目にするようになった。一方で演歌は激減した。CDTVの醍醐味であった演歌の「一瞬のこぶし」も消えてしまった。天童よしみCDTVから消えた。

 

そして、リニューアルから3年。

 

これはここ1ヶ月のTOP20だ。

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2月15日付けのランキング

 

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2月22日付けのランキング

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2月29日付けのランキング

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3月7日付けのランキング

出典:CDTV 公式HP

 

Official髭男dismばっかりやないか!!!!!!

 

Official髭男dismが毎週5曲以上入っているやないか!

 

驚異的だ。ちなみに彼らの代表曲「Pretender」は43週連続のTOP10入りを果たしている。紅白効果も相まって1月に入ってから1位を獲得した。CDTV史上、驚異的なロングヒットだということは否めない。

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出典:TBS「CDTV」Pretender : Official髭男dism

 

www.youtube.com

 

髭男の曲がここまで多数ランクインするようになったのは「Pretender」大ヒット後である。「Pretender」の関連作品で髭男の他の曲が聴かれて、続々とランクインの流れだ。恐るべき「Pretender」のフックアップ。

 

これは人々の音楽を聴く状況は大きく変わったことが原因だと思う。一つはサブスクリプションサービスの普及である。これはCDTVのランキングにも大きな影響を及ぼすようになった。アイドルやアニソンは根強いものの、どんどん名前の知られるアーティストがランクインするようになった。しかし、一方で前述の髭男のように一つのアーティストが複数曲ランクインする現象が増えてきた。

 

ちなみに、髭男「Pretender」「I LOVE…」、LiSA「紅蓮華」、King Gnu「白日」、Snow Man「D.D」の5曲はこの1ヶ月ずっとTOP10入りだ。ランキングがガラッと変わっていた以前の集計方法とは全く違う結果が出ている。サブスクは人々にたくさんの曲が聴ける機会を与えたが、結局聴かれているのは一部の人気の曲だということだろうか。人気曲の露出が増え、さらに再生数が回ってランクインという無限ループ。チャートは停滞を起こしている。

 

ロングヒットを続けているアーティストたちの中にはサブスクを解禁していないアーティストたちもいる。米津玄師のLemonはリリースしてからというもののずーっとTOP100に入っている。もちろん、ジャニーズ勢はサブスクを解禁していないものの根強い人気だ。SixTONESSnow ManがTOPに入りつづけているのは、オフィシャルのYouTubeでPVもアップしていることも大きいだろう。今後、この辺のアーティストがサブスクを解禁したらランキングはどうなっていくのだろうか。というか、そもそもサブスク解禁勢がランキングで有利という状況はフェアではないような気もするが。

 

2020年、CDTVはさらにリニューアルすることを発表した。新音楽番組「CDTVライブ!ライブ!」が3月30日(月)より月曜夜22:00にスタート。これはスタジオから生中継のライブ番組だそうだ。土曜深夜の「COUNT DOWN TV」は「CDTVサタデー」と名称が変更。「CDTVサタデー」。正直、日付は回っているからサンデーじゃんとも思わないでもない。基本フォーマットはそのままというが、果たしてそうなんだろうか。「メジャーに行っても俺たちは変わらねえから」と言いながら変わってしまったバンドを星の数ほどみてきた。

 

CDTVサタデー」になっても僕はアビー君(帽子の丸っこい方)や菊池君(メガネかけた三角の方)に会えるのだろうか。変わらないのが良さの一つだったCDTVも変わってしまう。それは少し寂しい。いずれにせよ、多くのアーティストとの出会いの場で会って欲しいなと願っている。あと、しれっと大好きだった「ランク王国」が復活することを願っている。

今のテラスハウス、副音声がつらい -TERRACEHOUSE TOKYO 2019-2020 第32話-

 

聖人君子しかテレビに出られないような世の中になってきている。それは本当にきついし、かなりヤバい気がする。フィクションの世界でも、タバコを吸っているだけで炎上してしまう世界だ。リアリティーを持たせたテラスハウスのような番組ならば尚更。人間だれもが不完全なのだ。不完全でもいいじゃん。ダメな人がダメなまま生きててもいいじゃんか。

 

 

 

今週のテラハ。ビビと花の2人に明らかに好意を寄せられていた凌は結局、どっちも振ってテラスハウスを卒業する宣言をする。そして凌の卒業前日、ビビは凌に熱烈なキスをする。

 

この一件に対して、ネットの意見は割れた。付き合ってないのにキスするのかという意見もあった。する時もあるだろ。これは男女逆だったらレイプだという意見もあった。男女逆じゃないからこういう行為が成立するんじゃないかよ。何を言っているんだ。視聴者はどこまでもピュアだ。ピュアすぎるが故に簡単に人を傷つけてしまう。

さらに視聴者よりきつかったのは、スタジオメンバーのトークだ。

凌へのバッシングはえげつないものがあった。凌の煮え切らない態度に見守り人たちは怒りを爆発させた。

 

ビビの行為は倫理的には正しくないかもしれない。ただ、正しくある必要はあるのか。ビビは別れを受け入れられなかったのではないか。凌に自分を忘れて欲しくないから。凌への売名行為だという意見はわかると思うが、それの何がいけないのか。彼にも彼なりの思いがあったのではないか。様々な思いも思惑があったと思う。テラスハウスは恋愛だけをする番組でもないのだけど、恋愛することをとにかく求められる。現実は時にドラマチックだ。真実はわからない。そして、リアリティーショーは伏線を回収する必要もない。

 

後半では、スタジオメンバーに叩かれるシーンの配信を見た愛華がとにかくショックを受けていた。

 

ここでもスタジオメンバーの副音声はひどかった。山ちゃんの「悪口を言われるやつ覚悟のある奴だけが悪口を言っていい」というのはごもっともな意見だが、果たしてそこまでボロカスに言われるほどヒドいことだったのだろうか。スタジオメンバーは愛華の言葉に喜んでいたじゃないか。

このシーンの後、スタジオメンバーが自分たちのコメントに対して一言も言及せず、愛華叩きを続けたのは本当にがっかりしてしまった。愛華を慰めたトパスに対するコメントも全然的外れだった。トパス頑張ってたじゃねえかよ。スタジオメンバーのトークは視聴者が受ける印象に大きな影響を与える。そして、視聴者の印象は住人にも影響する。この件は、結構テラスハウスの根幹に関わる問題じゃないか。

 

やはり、ここんとこの副音声はきつい。嫌ならオフにすればいいのはわかる。ただ、副音声まで含めてテラスハウスを楽しみたいのだ。最近の山ちゃんの毒舌はキレがないどころか、全然当たっていない。当たらない毒はただの悪口だし、いじめにしかならない。僕は不毛な議論リスナーだし、僕は山ちゃんを嫌いになりたくはないのだ。今の副音声はただの悪口大会になっている。意見がひとつに固まっている。意見は絶対にバラバラの方がいいのだ。やっぱり徳井さんが必要だ。徳井さんの「それはちょっと違うと思うで」が必要だ。山ちゃんを制する人が必要だ。誰だ、ブルゾンちえみ先生か、指原莉乃先生か、竹中夏海先生か、もう切り札蒼井優大先生か。。。まあ、やっぱり徳井さんがいいな。 

ー万能グローブガラパゴスダイナモス「甘い手」ー すれ違いの連鎖が生む傑作コメディ

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下北沢駅前劇場で万能グローブガラパゴスダイナモスの舞台「甘い手」観てきました。高校を舞台に文化祭の出し物をめぐるドタバタコメディ「甘い手」。それぞれのすれ違いがどんどん絡み合って最終的に大グルーヴを引き起こす傑作でした。

 

お話はとにかくシンプルだし、群像劇ではあるんだけど、それぞれのキャラ立ちがいいのでみんな好きになってしまった。嫌なやつが一人も出てこないのもよかった。思えば、ガラパの劇にはあんまり嫌な人は出てこないかもしれない。そこがガラパの好きなところかもしれない。みんなの相談役みたいな阿川佐和子的な役割の人、めちゃくちゃ良かった。ああいう否定もしなくて、ただ話を聞いてくれるだけの存在がいる学校っていいっすよね。1学校に1阿川佐和子が必要だなと思います。

 

「甘い手」はコメディとしての筋肉も強くて、セリフもすごい面白いんだけど、今回はギミックもすごくよかった。中盤のクライマックスとも言うべき、カラオケのシーンは本当にカオスだったし、舞台装置を上手く使った回想シーンの表現で全部笑っちゃった、ズルいよアレ。

 

この作品のテーマの一つとして、「自分の殻を破れ」っていうのがあると思っているんですね。引かれるかもしれないと思っていたことでも勇気出して言ってしまえば、全然そんな事ないかもしんないし面白いって思われるかもしれない。というか、これからの時代ははそうなって欲しいなと思います。すれ違ってモヤモヤするくらいなら、はっきり言ってしまうのがいいんですよね。なんだかすごく元気でました。まあ、すれ違いって傍目から見ると本当におもしろいんですけど(笑)。

 

全然関係ない人が「え?どう言うこと?」ってなってるけど、当人同士が納得してるとこもよかったです。自分にとっては大ごとでも他の人にとってはそこまでないじゃん、みたいなところも「桐島、部活辞めるってよ」みたいで好きでした。高校時代ってしょーもない事で悩むんすよね。そうっすよね。

 

あと、今回の劇とは全然関係ないけど、ここんとこ3年近くすれ違っていた人とたまたま再会できました。何度も何度もすれ違ってモヤモヤしてたんですけど、今日のこの公演でガラパ観て本当によかったなって思いました。まだまだツアーでいろいろ行くらしいので、ぜひ色々な人に観て欲しいな。よし、スピッツ聴こう。

 

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2019年の紅白を振り返る

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「第70回NHK紅白歌合戦」録画を見直しています。2019年の紅白は同じようでいつもと違う、そんな紅白でした。司会はウッチャン、嵐、そして綾瀬はるか。ここ2、3年で何度も観たことあるような顔ぶれです。安定の紅白司会陣。今年もいつも通り盛り上げます!という布陣で見せながら、少しずついつもと違う現象が今年の紅白に起きていたような気がしました。

 

単純にテンポがかなり早かったような気がします。曲の前後の審査員、司会のコメントも最小限。例年になくサクサク進む紅白。今までは演出の説明にもがっつり尺が割かれていました。いつもはもっとグダグダしていたし、それも紅白の醍醐味でしたが、時代のせいでしょうか。「なつぞら」主題歌を歌うスピッツが出なくて、朝ドラ特別編が組めず、いろんな要素(主にラグビー)をむりくりブチ込んだせいでしょうか。審査員席に座る草刈正雄じいちゃん、見たかったな。

大きく違っていたのはうらトークの部分でした。前任者バナナマンの事ばかりに終始するあまり、そこまで爪痕を残せなかったサンドウィッチマンを審査員席にコンバート。しかも隣に上沼恵美子を座らせ、M-1を彷彿とさせる並びで「格」をアピールすることに成功しました。


個人的には渡辺直美チュートリアル徳井のシブヤノオト配置を予想していたんですが、徳井さんは例の件で休業。空いたうらトークの椅子に上手ーく座ったのが蒼井優との結婚で話題をさらいながら、NHKでしっかり安定した進行を見せている南海キャンディーズ山ちゃん。この采配にはNHKさすがだなと思ったんですが、山ちゃんの進行、若干NHKNHKしすぎてませんでしたか?丸くなってしまった山ちゃんじゃなかったですか?副音声での山ちゃんに期待するのは、狂犬的な噛みつきなんです。飼い慣らされた犬ではないんです。2020年はテラスハウス副音声での実績もしっかりあるYOUさんに登場してもらって、ねぽりんはぽりんシフトで聴きたいです。徳井さんには一刻も早くテラスハウスに復帰して欲しいです。

 

同じように見えていつもと違っていた点でいえば、演歌勢のエンタメ化がさらに進んだ年でした。ゲストも増えた毎年恒例のけん玉ギネスチャレンジ、ヘラヘラしながら切断マジックをする水森かおりのイリュージョンなど毎年恒例のブロックはさらにパワーアップ。
他にも天童よしみMatt化、目からレーザービームを出すCG山内恵介、五木ひろしwith筋肉サックス、会場全体を津軽海峡にしてしまった石川さゆり、などなど日本が世界に誇るジャパニーズ・ソウル・ミュージックは、いつになくどいつもこいつもトンチキかつ派手に仕上がっていました。
後ろでアイドルに日本舞踊を踊らせるくらいだった頃からすると大きな変化です。演歌の演出がここまで進化したのはやはり、北島三郎先生の「祭り」のスピリットに他なりません。2020年はAI美空ひばりに対抗して、北島ロボ三郎で迎え撃っていただきたいと思います。

そして、ベストアクトは間違いなく氷川きよしでした。
赤と白の衣装で「大丈夫」というメッセージを送り、ジェンダーの文脈で大きな称賛を受けているきよしさんですが、僕はそれだけではないように僕は感じました。

 

氷川さんが歌ったのは「限界突破×サバイバー」。「ドラゴンボール超」のオープニング曲でした。あまり意識されてないかもしれませんが、演歌一筋でやってきた氷川きよしが演歌以外の曲、しかもアニソンを歌う、ということは大きな挑戦だったと思います。演歌ファンの間では少しざわついていたかもしれません。

北島三郎の祭りスピリットの継承者・氷川きよしは、今までも、大量の五郎丸ダンサーズ、おかめ&ひょっとこロボ、などなどトンチキ演出を続けてきた人物です。演歌のエンタメ化の先駆者だったとも言えます。そういう意味でも、2019年は時代が完全にきよしについて追いついたような気がします。

 

今回披露された「龍に乗って登場」もやっていることはいつもと変わらない、紅白における氷川きよしの姿です。氷川きよしはエンタメ化した紅白演歌の演出に、あえてそのまま乗っかることによって、演歌ファンを安心させようとしたのかもしれません。どんな姿でも「氷川きよし氷川きよしだよ」というメッセージ。自分の生きたいように生きながらも今までのファンを忘れない、氷川きよしらしいアクトだったと思います。天晴れでした。

2020年の紅白はどうなるのでしょうか。2019年は、合戦に参加しないという特別枠という部分がかなり多かったように思います。この時世でございます。戦うのはやめましょう。男女で分けるのもやめましょう。赤と白を混ぜて、笑顔と歌声で世界を照らしだす「ももいろ歌合戦」でいかがでしょうか。

 

www.momoclo.net

TERRACEHOUSE TOKYO 2019-2020 第19話「THE STRAY SHEEP」

テラスハウス、推しメンの翔平が卒業してしまった。ロスもロス。ルーローハンロスだ。

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俳優、コラムニストをやりつつ塗装の仕事もやる翔平。

彼の「ひとつのことに打ち込むなんてバカみたいだ」という仕事観は物議を醸した。

Tempura incidentだ。彼の信条である「一つに限らず色々なことをやるべきだ」という考えには僕は同意だ。

彼は卒業においてもかなり特殊な選択をした。テラスハウスにおいてはは「卒業します」と伝えてパーティーやってエモを高めるパターンが多い。彼は流佳だけに告げて、突然いなくなった。ほとんど蒸発。

雨の中傘もささずに出て行った彼の姿は、どこか寂しかったけど、カッコ良かったと思う。

これから、成長したところを見せて欲しいところもあったかもしれないが、いわゆる世間になじむことを「成長」と呼ぶのならば、それを見せることすら彼の美学からは反するのかもしれない。

 

彼はテラスハウスの歴史の中でもかなり型破りな人間だったと思う。

いわゆる恋愛リアリティー番組としてのテラスハウスにおいて、「住人以外の人間とセックスしている」みたいな発言は視聴者的にはなんだそれ?となってしまう。ただ、テラスハウスは恋愛の番組ではない。恋愛をしなくてもいいのだ。それがテラハのいいところでもあると思う。

今までの住人と異なる生き方をする男。それが翔平だった。

彼は賛否両論を巻き起こしてきた。

テラスハウスが新しいものを見せてくれるためには必要なピースだったと思う。

あー、好きだったなー翔平。

 

そんな中入れ替わりで入ってきたのがバスケットマンは翔平と全く違うタイプの人間だ。

彼は初日でいきなり風呂の汚さをディスり始めた。いや、マジで汚かったけど。

なんとなくだけど、彼と翔平は全然上手くいかなさそうだ。

僕は、代わりに入ってきたバスケを好きになれるだろうか。

お兄ちゃんみたいな翔平に変わって体育委員長みたいなバスケが入ってきて大丈夫なんだろうか。めちゃくちゃきつそうだ。

翔平、フラッとちょこちょこ帰ってこないかなー。

というか、流佳くんは大丈夫なのだろうか。やはりテラスハウスはやめられない。

 

 

10月

自分にとってこの10月は絶対に転機になっている。生活が激烈に劇的に激動に変わっている。

 

前日の「JUMBOPONICA」の二日酔いでグロッキーで始まった1日。

もう途中から全然覚えてないし、どうやって帰ったのかも覚えてないけど、翌日死んだ自分の姿とやたら暴れまわっている自分の姿にゾッとした。DJのみなさん、お客さんのみなさんありがとう。

 

STEREOで職場の送別会で2時間くらいDJした。もうあんまりDJとかすることもないんだろうな。職場のみなさんもSTEREOのみなさんも色々ありがとう。幸せな結末。

 

それからは引っ越しの準備の鬼と化した。今のマンションは5年住んでるんだけど、もう5年分のホコリが出てきた。このホコリたちと過ごしてきたんだ。福岡には10年住んだ。第二の故郷になってしまった。日本で一番住みやすい土地だと思う。マジで。一緒に準備してきた家族にも本当にありがとうだ。

 

105日に上京した。当たり前だけど東京は人が多い。平日でも映画館は満席だ。まだまだ全然自分の中で消化できてないけど、「ジョーカー」はすごい映画だった。映画館を出ると雨が降っていて、こういう天気にこそ見る映画だなと思った。

 

そして1010日。区役所に婚姻届を提出した。記念日を忘れないように僕の誕生日にした。思ったよりあっさり受理されたけれど、実感は後からついてくるのだろうなとも思う。ワイフにもいろいろありがとうだ。翌日の乃木坂46のアンダーライブを一緒に見ながら、結婚したのがこの人でよかったと思った。

 

生活が激烈に劇的に激動に変わっているけど、ぶっ倒れないでなんとか生きていけるし、ジョーカーにならないですんでいるのは、周りに支えられているからだと思う。しっかり都民になったし、結婚もしたけど全然変わりません。今後ともマジで何卒よろしくお願いします。